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自画像

2009.11.22



17歳から90歳までの間自画像を書き続けた男がいた。

彼の名前は筧 忠治(かけひ ちゅうじ、1908年?2004)。

●筧氏は、90歳を迎えた1998年発行の作品集に次のようなまえがきを
書いている。

・・・
17歳の時に画家を志して以来、がむしゃらに突っ走り、気が付いてみ
たら90歳、時代は21世紀を迎えようとしている。
僕の生きた時代は、大正、昭和、そして平成と様々な価値観が錯綜し
た時代でもあった。
美術にあっても時代と共に新しい様式が生まれ、多様な展開を示した。

 しかし、僕は変わらなかった。変わる必然性を感じなかったからだ。

人は僕のことを「自画像の画家」と呼んでいるようだ。別にそのこと
自体になんら拘りはない。僕は描きたいものを描き続けているだけだ。
その結果、自画像の作品が多かったというだけである。

 僕の作品は決して売れるものではなかったし、自分自身も売る気持
ちはなかった。売れるとか売れないという次元の問題ではなく、それ
以前の「描く」「創り出す」という行為のなかに、自分自身の歓びを
見いだすことが最高の楽しみであった。それが17歳から今日まで継続
している理由かもしれない。
・・・

●人は年とともに顔が変わっていく。その顔の変化を17歳からずっと
描き続けた筧忠治氏。
S社長にお願いして作品集を一晩お借りした。昨夜、自宅にもどって
じっくり眺め、今朝もあらためてこうして見返しているが、氏の作品
が欲しくなってしまった。

歌舞伎俳優の坂東玉三郎氏が展覧会で感銘し、筧氏に懇請して絵を譲
り受けたというのもうなずける話である。

この話は「がんばれ社長」のメルマガでの話しだ。

感銘を受けたのでブログで紹介しました。

ロハス村           村長