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ゲゲゲの女房とロハス村

2010.09.05



NHKの連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』がすごく好評だそうだ。実は私も『おしん』以来のツボにはいった朝ドラで毎朝食い入るように観ている。朝観れない時はお昼に必ず観ている。

あのドラマに心惹かれる理由はいくつかある。第一に、人気漫画『ゲゲゲの鬼太郎』の原作者・水木しげる氏の波乱万丈の半生が描かれていることだ。

漫画家らの作品がドラマ化されたことがあっても彼ら自信がドラマ化されたことはない。そういう意味でも企画がとても斬新であり、興味深い。

第二に、水木氏が極貧時代を経て、ようやく『ゲゲゲの鬼太郎』が週刊誌に、そして、テレビに登場した時、僕は幼稚園や小学生でリアルタイムであの漫画を観ていたことだ。

高度成長期に週刊誌やテレビで漫画に夢中になっていた世代にとって、あのドラマそのものが自分の少年時代の心象風景と重なり、郷愁にふけってしまう。

ドラマの中で、「しげる」のお父さんが嫁の「布美枝」に、少年時代の「しげる」の話をするシーンがある。「しげる」は子供の頃から変わり者で、集団生活ができず、いつもマイペースだった、と。

いつだったか「しげる」が神社の狐をジーット見ていたことがあった。何をしているのかと聞くと「いつ狐が動き出すのか見ている」と答えたという。そんな子供の頃のどうしょうもない性格が今では漫画家家業に役立っているのかもしれんと・・・

変わり者の「しげる」を育てたご両親の存在もドラマに味をつけている。

 もう一つ、あのドラマに感情移入してしまうのは、世の中が戦後復興の波に乗っているとき、水木氏は極貧の中で売れない漫画を書き続けていた。そんな中でも水木漫画に魅了され、応援してくれるファンがいたことだ。

 ロハス村もそうだ。右も左も分からないまま健康業界に足を踏み入れ一個も売れない日々が何ヶ月も続いた。挫けそうになりながらも続けていくと一人買ってくれ、二人買ってくれ、その人たちがお友達を紹介してくれた。そんなファンがいて励まされた。

 ドラマの中で、「墓場の鬼太郎」が読者の人気投票で最下位。そのときの編集長のせりふにぐっときた。
 「・・・社内では打ち切りという声も上がっています。でもたとえ少数でも熱いファンがいる漫画はいずれ化けるというのが私の信念です。連載を続けます。『鬼太郎』はそれだけの器です。

 戦争で精神的に病み、働かない男がいた。彼に言う「しげる」のせりふもいい。

 「戦争ではエライ目にあいましたなぁ。死んだ者たちは無念だと思います。死んだ者が一番かわいそうです。だから自分は生きている人間には同情せんのです。自分は貧乏をしていますが、好きな漫画を描いて生きているんですから、少しもかわいそうなことはありません。自分をかわいそがるのはつまらんです。」
 九月でドラマも終りだ。これからの展開から目がはなせない。

ロハス村     村長